第6回 
日本ミニ・パブリックス研究フォーラム

 

2020年12月5日(土)13:30〜16:40(オンラインでの開催) 出席者44名
 

 

 

 

 

今年は、新型コロナウイルスのパンデミックで全く新しい社会状況となりました。本研究フォーラムもオンラインでの開催となります。

 さてそうした中、ミニ・パブリックスは、それでも各国で急速に拡大し、注目されています。OECDがこうした新しい民主主義の潮流に関する報告書を発行したこともその結果であると言えるでしょう。

 今回のフォーラムでは、まず初めに、気候変動に関する市民会議が国境を超えて数多く実施されていますが、日本での実施を含め報告します。続いて、熟議民主主義におけるファシリテーションの意義について考察します。最後に、「選挙制を疑う」の出版でも注目された抽選制議会の可能性について、共に考えたいと思います。

(企画案内より)

参考:「OECD報告書の概要」へのリンク 長野基(東京都立大学)

 


プログラム内容:
13:30〜13:35 開会の挨拶
13:35〜14:20 「気候市民会議:日本における可能性と課題」

三上直之(北海道大学) 30分  質疑応答 15分
14:20〜15:05 「ミニ・パブリックス内/外のファシリテーション」

徳田太郎(法政大学) 30分  質疑応答 15分

15:05〜15:15 休憩 10分
15:15〜16:00「抽選制市民院の構想」岡﨑晴輝(九州大学)30分  質疑応答15分

16:00〜16:20「一年間の報告(日本、世界)」竹内彩乃(東邦大学)

16:20〜16:35  意見交換

16:35〜16:40 閉会の挨拶

報告概要「気候市民会議:日本における可能性と課題」三上直之(北海道大学)

三上報告では、気候変動対策に関する無作為抽出型の市民会議である「気候市民会議」と、その日本での応用可能性について紹介されました。気候市民会議は、無作為抽出で集まった数十から150人程度の市民が、数週間から数か月をかけて気候変動対策について話し合い、その結果を公的アクターの政策決定に活用するものです。まず、2020年1月〜5月開催された英国での気候市民会議の事例が紹介されました。続いて、報告者らのグループが札幌市民を対象としてオンラインで実施中の「気候市民会議さっぽろ2020」(2020年11月〜12月)が紹介されました。札幌市での実践を通じて、日本でも気候市民会議のモデルが有効であることを確認できるのではないかとする報告がなされました。なかでも、自治体レベルでの実施の意義は高いと報告された一方で、例えばエネルギー供給などの論点は、自治体レベルで議論を完結させることは難しく、国民レベルでの議論が必要であると指摘されました。また、完全オンラインでの開催にあたっては、参加者の確保や、参加者のネット環境や機材の整備に課題があると報告されました。

報告資料へのリンク

報告記録へのリンク

報告概要「ミニ・パブリックス内/外のファシリテーション」徳田太郎(法政大学)

徳田報告は、ミニ・パブリクスの「外部」におけるファシリテーション機能に光を当てた報告でした。まず、熟議デモクラシー論において、ミニ・パブリクス以外の場での熟議の発生が念頭におかれている一方、ファシリテーションに関しては、ミニ・パブリクス内部の分析にとどまることが多いとの問題提起がなされました。その上で、熟議システム論を手掛かりに、社会的に熟議を組み込むようシステムやプロセスを造ってゆくこともファシリテーションの機能ではないか、との議論が提起されました。そして、アイルランドの憲法改正の事例をとり上げ、ミニ・パブリクスにおいて強い意見を持っているアドボカシー団体からの情報提供の場が与えられたこと、「非熟議的」と評価されがちであるキャンペーンにおいても熟議の契機が観察されたことが報告されました。これをマクロ的に考えるとき、ミニ・パブリクスの企画・運営者やキャンペーンの唱道者も、システム全体として包摂的な参加と言説の多元性を促進するという観点から、ある種の「ファシリテーター」として位置付けることも理論的にはできるのではないか、との報告がなされました。

報告資料へのリンク

報告記録へのリンク

報告概要「抽選制市民院の構想」岡﨑晴輝(九州大学)

岡﨑報告では、選挙制の参議院を抽選制の市民院に改組するという構想が提示されました。同報告によれば、選挙制議会では議員の属性が偏りやすいし、議員が自由に熟議・判断することも簡単ではないとされます。そうした欠点を克服するために、参議院をくじ引き(抽選)で議員を選ぶ市民院に改組する構想が提示されました。これにたいしては、素人が議員を務めるのは難しいのではないかとの批判が生じるでしょうが、市民院の権限を拒否権の発動に限定すれば十分に務めることができるはずであると指摘されました。また、仕事と両立するのは難しいのではないかという批判も生じるでしょうが、ジュニア枠とシニア枠を設けるとともにオンライン会議を活用すれば両立可能なはずと指摘されました。しかし、抽選制市民院を導入するためには、憲法改正が不可欠です。そこで提案されたのが、憲法改正なしに抽選制を導入する併用方式です。併用方式Ⅰ型は、比例代表選挙において、40%の棄権票と無効票があれば、議員の40%を抽選で選ぶ仕組みであり、併用方式Ⅱ型は、投票用紙に抽選という選択肢を用意し、その得票率に応じて議員を抽選で選ぶ仕組みです。いずれにしても、抽選制の活用を主題限定・期間限定のミニ・パブリックスにとどめずに、議会にまで拡大していくべきではないか、との提案がなされました。

報告資料へのリンク

報告記録へのリンク

報告概要「一年間の報告(日本、世界)」竹内彩乃(東邦大学)、前田洋枝(南山大学)、坂井亮太(中央学院大学)

日本ミニ・パブリックス研究フォーラムとDemocracyR&Dの2020年度の活動について報告されました。まず、日本ミニ・パブリックス研究フォーラムでは、実践家と研究者が共同研究や情報交換を行っていることが紹介されました。今年度は、オンラインによる運営委員会や勉強会の開催、ホームページの充実化を行った他、ミニ・パブリックスの実践研究を行う組織・個人の世界的ネットワークであるDemocracy R&Dの活動に参加したことが報告されました。日本での実践事例として、愛知県豊山町、愛媛県伊予市におけるミニ・パブリックス研究が紹介されました。続いて、Democracy R&Dでは、各国の実践事例紹介であるラーニングコール、ワーキンググループによる共同プロジェクト、フォーラムにおける情報交流、年次総会が行われたこと。年次総会はネットワーキングが大きな目的として掲げられており、ジェンダーバランスに配慮した参加者決定がなされていたことが紹介されました。共同プロジェクトの事例として、DemocracyR&Dのデータベース整備についても紹介されました。

報告資料へのリンク

報告記録へのリンク

第5回 
日本ミニ・パブリックス研究フォーラム

​日時:2019年12月7日(土) 11:00〜17:30
場所:東京工業大学 大岡山キャンパス 西9号館2Fコラボレーションルーム

参加費:無料

坂野達郎(東京工業大学)

篠藤明徳(別府大学)

田村哲樹(名古屋大学)

イギリスにおけるブレグジットをめぐる混乱は、3年前の国民投票の弱点に止まらず、政党・議会政治の混迷をも示しているようです。しかし、日本では注目されていませんが、ミニ・パブリックの制度化など、新しい民主主義の潮流が起こっています。今回の研究フォーラムでは、日本における研究成果の報告とともに、こうした潮流を学び、参加者の皆さんと議論したいと考えています。

まず第1部として、日本の研究成果に関し3つの報告があります。DPに関する社会心理学的調査(前田さん)、市民パネルによる自治体事業の審査への分析(長野さん)、市民陪審の試行(三上さん)についてです。続いて、本研究フォーラムも創設メンバーとして加わった世界的ネットワークであるデモクラシーR&Dの活動や各国で進むミニ・パブリックスの制度化の概況を学び、議論します。そして最後に、世界と連携しながら日本のフォーラムができることなどを忌憚なく話し合いたいと考えています。

(企画案内より)

 
内容:
10:30 受付開始
11:00 開会の挨拶
11:05〜11:30  参加者自己紹介

 

第1部 日本の動向(11:30〜13:30)
前田洋枝(南山大学):「エネルギー・環境の選択肢に関する討論型世論調査」に対する社会心理学的研究


長野基(首都大学東京):無作為抽出型「市民パネル」による自治体事業審査活
動の研究

三上直之(北海道大学):「脱炭素社会への転換と生活の質」をテーマとした市民陪審の試行
*各報告20分、質疑応答20分

13:30〜14:00 休憩


第2部 世界の動向(14:00〜16:00)
事例・現状報告(東ベルギー州市民協議会、コロラド州Citizen Initiative Review、韓国・モンゴルの動向など)

その後、自由討論

16:00〜16:15 休憩

第3部 デモクラシーR&Dと日本の活動(16:15〜17:30)
デモクラシーR&Dの運営と新しい動向の報告

その後自由討論


18:00〜20:00 交流会(各自実費・約3000円負担)

 

 

第4回 研究フォーラム

日時:2018年12月8日(土)13:30〜17:30

場所:東京工業大学 大岡山キャンパス 西9号館3階933号室

ミニ・パブリックスに関する理論的、実証的研究は、これまで日本においても様々に取り組まれてきましたが、2016年に静岡県で実施された「外国人労働者の受け入れ」に関するミニ・パブリックス(「日本の将来に関する静岡県民による意見交換会」)では、両分野の研究者が共同した大規模な調査研究が行われました。今回のフォーラムの第1部では、2018年3月に刊行された『熟議の効用 熟慮の効果-政治哲学を実証する』(勁草書房)をもとに、その成果について、日野愛郎教授(早稲田大学)に報告いただきます。

また、グローバル化が進展する世界のなかで、排斥主義や扇情的言説が、各国の政治の中で顕在化し、注目されています。しかし、他方、市民と政治の関係をもう一度考えようとする新たな動向も現れ始めています。今年結成されたミニ・パブリックスの世界的ネットワークである“デモクラシーR&D”もその一つです。日本ミニ・パブリックス研究フォーラムは、その創設メンバーとして参加しています。第2部では、その設立趣旨や運営について報告し、また、各国で展開されているいくつかの事例を紹介いたします。

最後に第3部として、これまでの取り組みを踏まえ、世界との連携の中で、私たち日本のフォーラムが取り組むべき課題等について、忌憚のない意見交換をしたいと考えています。(企画案内より)

内容:

第1部 大規模ミニ・パブリックス実験の報告-「外国人労働者受け入れ政策」をテーマとした「日本の将来に関する静岡県民による意見交換会」の知見から-

第2部 デモクラシー&設立、運営、活動の報告

第3部 日本ミニ・パブリックス研究フォーラムの今後の活動

*18:00〜20:00 交流会

第3回 研究フォーラム

2017年12月 9日(土) 13 :00-18 :00

(東工大大岡山キャンパス西9号館3階933教室)

既成の民主主義制度の混乱が世界各国で起こっています。その一方、無作為抽出された市民(ミニ・パブリックス)の政策決定への活用が進み、その世界的ネットワーク(デモクラシーR&D)が作られ、民主主義の新しい可能性が拓かれつつあります。

第3回フォーラムでは、日本の活動・研究に関する報告として、まず、市民が主導してきた市民討議会の10年を振り返ります。次に、盛岡市における公共施設再編に関する市民討議会の活用の報告があります。最後に、地球規模のリスク問題に対するミニ・パブリックスの役割を考えたいと思います。

次に海外からの報告として、昨年に引き続き来日するカイル・ボチェンコ所長(ジェファーソン・センター)と、デモクラシーR&Dを推進するデイヴィト・シェクター氏(ニュー・デモクラシー財団)より、各国で進展するミニ・パブリックスの取り組みと世界的ネットワークについて報告を受けます。

民主主義の新しい可能性に関心を持たれる多くの方々が参加されることを願っています。(企画案内より)

[第1部]日本の報告

13:10 「市民が取り組んだ市民討議会の10年間を振り返って」

               (吉田純夫、小針憲一)

13:50 「盛岡市の公共施設再編に関する市民討議会の活用とその後」

       (上森貞行)

14:30 「地球規模のリスク問題に対するミニ・パブリックスの役割」

              (三上直之)

15:10 休憩 

[第2部]海外の動向(日本語通訳有)

15:30 「ジェファーソン・センターの今年の活動とミニ・パブリックスの展望」

                カイル・ボチェンコ

               (ジェファーソン・センター:アメリカ) 

​16:30 「世界におけるミニ・パブリックスのネットワーク」

                デイヴィット・シェクター

               (ニュー・デモクラシー財団:オーストラリア)

17:30 閉会の挨拶

 

  • 懇親会 18:00~20:00

 

研究会 12月10日(日)9:30~13:00

*研究会では、昨年同様、少人数で海外ゲストと質疑応答の時間を持ちます。

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第2回 研究フォーラム

2016年12月 10日(土) 13 :30-18 :00

(東工大大岡山キャンパス西 9号館 W9-607)

 

昨年12月に発足しました日本ミニ・パブリックス研究フォーラムは、多くの方々のご参加をいただき開催されました。日本におけるミニ・パブリックスの手法(討論型世論調査、コンセンサス会議、市民討議会など)に高い関心を寄せられたものです。また、ドイツから、ハンス・ルートガ―・ディーネル教授を迎え、特別講演していただきました。

さて、今年も下記の要領にて、第2回フォーラムを開催いたします。今回は、ミニ・パブリックスの代表的手法である市民陪審を開発し、世界中で実践してきましたジェファーソン・センターの所長であるカイル・ボチェンコ(Kyle Bozentko)氏を招き、特別講演をしていただきます。(企画案内より)


第 1部 特別講演「市民陪審とジェファーソン・センター」
ジェファーソン・センター所長カイル・ボチェンコ氏

講演の内容はカイル, ボチェンコ「ジェファーソン・センターと市民陪審」として、『地域社会研究』(28)6-10頁にまとめられています。PDFでの閲覧はこちら

第 2部 日本における研究と実践報告
① DPの討議フォーマットと討議の質(グループ効果の分析をもとにして)
坂野達郎(東京工業大学)

 

② 世界市民会議(世界気候変動)

池辺靖(科学技術振興機構)
 

③ 豊山町での5年連続実施の市民討議会の調査
前田洋枝(南山大学)、伊藤雅春(大久手計画工房)

 

④ 実証研究と理論の架橋

坂井亮太(早稲田大学)

第3部 全体議論
 

交流会
 

【特別企画】

12月 11日(日) 10 : 00-13 :00 (東工大大岡山キャンパス西 9号館911)

*市民陪審、ジェファーソン・センターに関する質疑応答と議論

ジェファーソン・センター所長カイル・ボチェンコ氏

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第1回 研究フォーラム​

日時:2015年12月12日(土)13:00~17:30
場所:東京工業大学 大岡山キャンパス 西9号館3階W933
【内容】

開催(設立)挨拶

坂野達郎(東京工業大学)

第1部:講演
1.基調講演 

「熟議民主主義研究の現在とミニ・パブリックス(仮)」
田村哲樹(名古屋大学)

2.ゲスト講演

ミニ・パブリックスの標準化、制度化
ハンス ルートガー ディーネル(ベルリン工科大学)

第2部:パネル・ディスカッション

「日本におけるミニ・パブリックスの現状と展望」

(報告)

①討論型世論調査:坂野達郎(東京工業大学)

②コンセンサス会議:三上直之(北海道大学)

③市民討議会:佐藤徹(高崎経済大学)

(討議)

④全体討議

コメンテータ:田村哲樹(名古屋大学)

司会:篠藤明徳(別府大学)

第3部:交流会
 

※第1回研究フォーラムの報告内容は

『地域社会研究』26号(2016年3月) 
(別府大学地域社会研究センター)

にまとめられています。報告論題をクリックしてご覧ください。

第一回研究フォーラムの写真